囂庵コラム アーカイブ

おことわり:

このページ発表の後に内容を精査いたしました。
最新は https://kamabisuan.skr.jp/new_box/cg_making/cg_making4.html
よつてこのページは精査課程へのプロセスとして参考掲載いたしております。

辛抱強く説得 1


カメラは距離200m高さ2mに設置

カメラは距離200m高さ18mに設置

写真に於けるディストーションを説明する為の模型図です。

ディストーションは「ゆがみ」や「ねじれ」や「ひずみ」や「歪曲」のことです。

左の画は、建物模型をカメラで撮影したものです。

左側の列は、グランド上2メートルの高さで見ています。

右列は、18メートルの高さから見ています。

いずれも被写体の建物までおよそ200メートル離れています。

4コマ目は、長崎御巡幸パノラマ写真の製鉄所のシーンをイメージしています。

模型の精度は一見イマイチですが、原理は間違いありません。

4コマ目のアングルで、建物を中心に360度移動撮影をした結果の一部とイメージして下さい。

 いつもまじめに古写真の研究をされておられるお方の文章からです。

(イラストの青の長い建物=1階建ての「旧器械置場 I」の)先端部分は「仕上場H」の左の角にほぼ接して、高さは「仕上場H」(赤白の建物)の2階の窓の下縁に近い所にあります。

 これが、1階建ての「旧器械置場 I」の屋根の位置関係を示すもので、カメラの目線の方向や角度を移動させても絶対変わらない「旧器械置場 I」の高さを示しています。

このチャートは、上記の「カメラの目線の方向や角度を移動させても絶対変わらない」と仰る部分のご認識が、失礼ながら実に馬鹿馬鹿しい間違いであることを、易しく指摘するために制作いたしました。

「旧器械置場 I」の屋根の物理的な高さは絶対変わりませんが、カメラアングルの高低の違いで、錯視現象として、1階建ての建物の屋根が、2階建ての「仕上場H」の屋根に届きそうに見えることが起こるという、失礼ながら実に馬鹿馬鹿しいほど当たり前な説明をさせて戴いております。

        2015年10月10日 晴の日

辛抱強く説得 2


隠居所のはなし

丘に登って下界を見ると・・

拓郎の歌詞からはじめます。
丘といっても愛宕山から芝の方を見る気分でお願いします。近ごろはビルだマンションだと高層建築ばかりで、なんともでございますが、明治の初めの頃の、芝の家並みを想像してみて下さい。

階段下の大通りに面して御店が軒を重ねているのが見えます。
御店の大屋根の向こうにお住まいの母屋があって、そのとなりに、昨年建てられた隠居所の数寄屋風の屋根が見えます。

さて、ここまでに何かおかしなところがあったでしょうか。

ありませんね。

ところが、御店の大屋根の向こうに、母屋の屋根より低いご隠居さんの数寄屋が見えるのは、可笑しいと仰る方がおられます。

わざわざ、正面図と平面図をお書きになられ、この屋根の高さがココまでで、母屋の屋根の下にも届かない。だからどこから見てもあたしの考えでは隠居所は見えませんと仰るんです。

そりゃ階段下の御店の前からはどう考えても、ご隠居所どころか屋根すらも見える筈はありません。

それで、そのお方を愛宕さんの上までご案内したんですが、そのおかた、ビックリしておりました。あの低い屋根の隠居所が御店の大屋根より上にあるって。

びっくり致しましたのは、むしろ私の方でございます。へえ。

こんかいのビデオ製作の背景はこんなところです。へえ。

辛抱強く説得 3


あるお方がお書きになった製鉄所の平面図と見取り図である。

これをお書きになったお方は、日頃からとても熱心に古写真の研究をされておられるお方です。

そのお方は、一般に明治五年の夏に撮られたとされている長崎の港を一望できるパノラマ写真について、その撮影時期は五年よりも前に遡ると説いておられます。

その証拠としてどうやらこの平面図と見取り図が提出されています。

そのお方が、この図で示したい最大のポイントは、建物Gと建物G’は細長く繋がったものだということです。

余は、以前からそのお説に疑問を持っており、誤りを数々指摘して参りましたが、相手にして下さいません。

ただただ、この平面図を読み取ればその方の主張がわかると申しております。

余といたしましてはこんな事はどうでも良い問題なのですが、あまりにも初歩的な過ちというか、はたまた致命的な勘違いなもので、そのお方の今までのご功績まで軽んじられはすまいかと心配し、こんなことをしております。

余は、かの平面図に基づいて、シミュレーションをいたしました。きっとそのお方の目を覚ます材料になることを信じてでございます。他意はございません。

みなさまの予想通り、すごいことになります。

G’の屋根部分を写真の幅に合わせると、建物の接地面の手前の空きスペースが写真のようには成りません。
まったくスペースはありません。

それではと、G’の接地面の手前の空きスペースを写真のようにあわせようとすると、いくらG’を薄くしても追いつきません。

シミュレーションは手品ではありません。

どうしましょう。

そうです、残念ながら、平面図が間違っているのです。

まさにこれは「絵に描いた餅」でございます。

ぜひ三面図をお書きになって、それから透視図を起こして見て下さい。

そうすれば全てが理解できるでしょう。

余談でござるが、そもそもカメラのはじまりは、カメラ・オブスクラによる2D画像の取得でございます。余が3DCGのシミュレーションを使うのもそれと同じ理屈です。ちなみに、余がカメラ・オブスクラとして利用するのは、Shade15という3Dグラフィックのアプリケーションです。 Danke!ウィキペディア


辛抱強く説得 4


百聞は一見にしかず



Danke! Terry&flickr.com