囂庵コラム アーカイブ

iPod

あぶなかった。まさに危機一髪だった。

余がデジカメを自宅に忘れ、旅に出て、考えたすえに購入したのがiPod touchだ。 あれから丁度一年と一週間と相なる。

それがとつぜん故障をした。

余は一年前に6000円を払って保障期間を1年延長するサービスを購入していなかった。
そのおり販売員に「長年Apple製品にこだわって使ってきたが、いままで2年以内で壊れた事など無かった。余はApple製品を信頼しているので、そのサービスはノーサンキュー」とえらそうに語ったことを、余は今頃後悔した。

Appleめなかなかやるな!とも感じた。
丁度1年を満了して「故障」させるとは。 以前から一定のサイクルでApple製品は故障するとの都市伝説はあった。
しかしそんな不幸に今まで一度も出あっては居なかった。

しかたなく、初大雪をものともせず、アップルストアに急行した。

状況を説明し情状酌量をも得ようと一週間のオーバーも訴えた。

対応してくれた余よりもApple経験が少ないと思われる青年は、余のiPodを手元で確かめ、クールに「18,400円」との見積もりをiPadに表示させた。

やっぱり駄目か! 余の表情からは落胆の色はおそらく隠せなかった。
両者はしばし無言。
余の品位の無いため息が「たった一週間で2万弱って辛いね。」という言葉と一緒にでた。

青年は「故障修理という考え方がAppleにはございませんので」と申しわけなさそうにいった。

しかたないな。
余はもうすでに、30,000円で2年保証の新しいiPodを買うか、18.400プラス消費税で1年保証を買うかの選択段階に入っていた。

そのとき、青年が「一旦OSを初期復元してみてそれでも機能が回復しなかったら交換しかありません。」といった。

ええ?

初めからそう言って戴きたかった。

余としては、ストアーで初期復元をしてくれるというのを断って急ぎ帰宅し、即作業をした。 ドキドキほどではないが、試験発表前の気分の高揚感が多少あった。

結果は何のトラブルも無く何時ものiPodがそこにあった。

なんだったんだろう。まったく。あぶなかった! 頼むよApple。