奇しくも大きな海を隔てた大きな国と小さな国で、世間知らずで育った二代目三代目が権力者の地位に就いた。
二人して政治の目的は国民の生活や文化や世界の平和や紛争の回避や人類の英知の向上ではなく、仲間達の財布の中身を増やすことだった。
両者は自国の国民の活力に限界を感じ、その野心の先を他国に求めあった。
自分に都合のよいことには寛大で、不利益やウイークポイントには排他的な態度を露わにした。
教養の欠片もなくひたすら経済経済とわめき散らかす。
国民の目にはヤクザと同じに見えた。
触らぬ神に祟り無し。
また国民は卑怯にも自分に被害が及ばなければと賛成も反対もしない。
封建時代の庶民と同じ。
寒い風が大海に吹き荒れて、世界は混沌と乱れ始めた。