足洗うてつひ明けやすき丸寝かな 芭蕉
(あしあろうて ついあけやすき まるねかな)
貞亨五年四月下旬。「笈の小文」の終点須磨明石にて。と。
夏は陽が長いので、旅もつい、ハードスケジュールになる。
やれやれと宿についてバタンキュー。
あっという間に朝が来る。
たとえば、貞享五年四月二十日(西暦1688年5月19日)の、明け六から暮れ六まで歩き回ると、関西では、おおよそ午前4時15分から午後19時32分までの15時間17分のハードワークとなる。
聞くところによれば、2020東京オリンピックの運営のために、サマータイムを導入とかいっちょるが、気分は、江戸時代の不定時法適用とちっとも変わらんと余は思うわな。
おそらく、屋外競技は早朝と夕方にはじまり、10時くらいから14時くらいの間は休憩とかいってごまかす。
おまけに、TV放映権の都合で深夜早朝競技もバンバン。
つまり、サマータイムなんて、ボランティアやスタッフを24時間働かせるための呼び水っうパラドックスよ。
少なくとも深夜早朝の「早朝」を法律的に「並みの朝」とし、深夜はうやむやにぼかすというのが、サマータイム法の骨子だわさ。
まさに、サマータイム法は、2020オリンピック働かせ方改革法案となるわけだ。
江戸時代とは大きく違うのは、増えた拘束労働時間に対して当然ながらペイがあることだわさ。
経済効果7千億円とかいうが、増えた拘束労働時間に対するオーバーワーク諸々の経費がこの正体だっうことにすぎない。
経済効果なんて言うの卑怯だわさ。
恐ろしくて冷や汗が出る。
暑いと体が疲れると思いがちだが、実は、脳が疲れるんだとさ。
なおさら反対じゃわい。
足洗うて寝てまへ森の老ひたぬき 半可ξ
(あしあろうて ねてまへ もりのおいたぬき)
寒い話だから季語は「たぬき」冬。
2018/8/16追記