本物に会えないから小樽の市立図書館まで行ってきた。
小さな冬の旅を楽しみながら一年半振りの小樽。
台湾やシンガポールや香港中国からの観光客の歩む方向と余は逆に山に向かって進んだ。ほぼ真っ平らな札幌とちがい小樽は坂の町だ。よくこんな坂を登る気になるなと感心するほど貧弱な軽バンが唸りながら登っていく。老人達は両手にスキーのストックを突きながら「ウオーキング」だ。すたすたすたとみなさん軽い足捌きでアップダウンをこなしておられる。おみごと。
小樽駅から10分ほどで市立図書館に着く。どこの町の図書館もそうだが、ここも御多分に洩れず、ご老人達のパラダイスだ。これも御多分だが99%が男性のお年寄りだ。
目的のものは書庫にあった。絵巻が折り畳みの状態で収められていた。
表紙をめくった途端余は完璧に脳天を叩き割られた。