これらの絵は、古写真に興味がある方なら、たいがいがご存じの、ワーグマンと言うお方と、その弟子たちの作品であります。
ワーグマンの水彩画の、モデルとなったこの少女も、なにをかくそう若き日のラグーザ玉子である・・なんちゃって。
というのは、玉子の実家は今で言うガーデンテラスを売り物にするような茶店もやっていた。さらに、玉子ご本人曰く、彼女はとても御転婆で、好奇心旺盛で物怖じしない女の子だったようで、新しい絵画手法に興味を持ち、ラグーザを家庭教師に絵の勉強をしていた。当然、ジンガイ仲間のワーグマンも、ラグーザせんせにくっいて、玉子の実家を訪れて、美少女お玉をスケッチしていても、なんの不思議もない。
このワーグマン、かつてはベアトと組んで日本の風景や事件現場などの様子を、ヨーロッパに送り込んだ画家であるが、この手法、すなわち写真をもとに「絵を描く」方法を、五姓田派と呼ばれる、日本洋画界の先駆的グループに、教え込んだ男なのだ。
初代の芳柳も写真をお手本に明治天皇や淺野公夫婦、弟子で土方歳三の甥の土方力三郎は近藤勇を描いている。だから、養子の二世芳柳が写真をもとに、今は東京国立博物館に収まっている、ラグーザ玉子像を描いたことなどは、当たり前田のクラッカーだったのだ。
とはいえ、ワーグマンの水彩画の玉子に関するところは、裏取りをしてこれを書いておるわけでないので、いまんところ、ハナシ半分にしておいてちょうだい。