おもろ33

天国の井上俊三に代わりて 三角形の光 (3)

ご存知長崎の中島川河畔の上野撮影局は、緩やかな小山に囲まれた山間の場所にあります。

山間と言っても深山幽谷なんてものではなくそれなりに開放感がある場所です。

東は中島川の谷が数キロ先の海抜3・400メートル級の山並みまでのびています。
一方、南側には英彦山や伊良林や風頭の山地がぐっと迫ってきています。

ということは、太陽は朝一番に地平線から昇るということはありません。正確には調べてありませんが、ここ、上野撮影局には、太陽の高度が10度以上にならないと太陽の直射は無いでしょう。

上図は、余がとりあえず選んだ日の、太陽の高度が10度を越えた時刻と方位をまとめたものです。 http://keisan.casio.jp/ 高精度計算サイト さまの太陽高度計算を利用させていただいた結果であります。ありがたいありがたいと、とても便利なサイトに感謝をし、話を続けます。

太陽の日の出の方位は、およそ真東の春分ころから、徐々に北よりに移動し、夏至あたりを境に、反対に南よりにもどり、秋分のころ以後は来年の春分のころまで、東西のラインを北に越えることは有りません。

つまり、南を背に北側から人物を撮影する写場(写真スタジオ)では、背面に太陽の直射が得られるのは、撮影日が新暦の4月の中旬から8月いっぱいに絞られるということです。

また、この光り漏れは坂本龍馬の写真ばかりではありません。他に2例あるのですが、いずれも坂本龍馬写真の光り漏れと同じように上辺は写場の床に平行です。ただその発生の位置がそぜぞれ異なります。

写場(写真スタジオ)が南を背にし、北側から人物を撮影し、かつ坂本龍馬写真のような△の光り漏れを得るには、写場のサイドの小壁をぶち抜いて、さらに太陽角度にあわせてバックの△の光り漏れが、床と平行になるように仕掛をしなければなりません。同時に、この場合、太陽光線は人物までダイレクトに当たってしまうため、東側は大きな布か何かで光線を遮断しなければ写真のようにはなりません。

もし、ほかの2枚の写真も、カメラが南を向いた状態で撮影されたとすると、それぞれのポジションに適応すべく、専用の壁破壊作業が必要となるのです

とても現実的な説明にはなりません。

余は先にサイドから光を流し込んだ場合、上辺と床が平行になるのは一瞬であると説明致しました。いくら日本人の職人技術が優れていようと、どれもこれもきちっと平行となる瞬間を写真におさめることなどは当時のレベルでは不可能でしょう。

なんで余がこんな偉そうに申し上げられるのは、余の人生に多少関係しておりますのでお許しください。

さて!さて! お立ち合い!「光2」の写真には、壁を破壊していない証拠が写っています。棚の上のサイドの壁にも強い太陽の光が漏れているのです。どうして!でしょう?

 そうです。ここからはじめて真実が語られるのです。

今までは、いくら推測よとおっしゃられても、たいへんご立派な先生のご意見も無視するわけもいかず、その場合の不合理性を述べました。

ざんねんながら紙面が尽きました。 それでは天国の井上俊三に代わりて  今日は、ここまで。

三角形の光(4)へ ←  → 三角形の光(2)へ