おもろ34

天国の井上俊三に代わりて 三角形の光 (4)

我が家の食卓で夕食をとつていると、2キロほど離れた高層ホテルの窓ガラスが、もろに夕陽を反射をして、とても眩しく感ずるときが年に一度ある。

それはちょうど夏至を挟んでの数日間にあたる。

余は、ストーンサークルなぞ無くとも、夏至の日がぴたりと分かり、とても得をしている気分になれるのである。

斯様に太陽というものは、実直に、毎年毎年我々に、時刻や季節を教えるために、尽くしてくれているわけでもある。

365日一日たりとも停滞もせず、場所を変え、ところを変え、迷子にもならず、日夜大空を翔ている。ありがたいことである。因みに余は天動説が好きゆえにこの表現許されよ。

それで今回はなんと、その太陽さんをお招きし、坂本龍馬の写真の撮影日の特定に、一役買って頂こうというわけである。

ある年の秋のある日、その日は二日酔いだったが天気がよかったので、本郷の宿を飛び出してTokyoスカイツリーに登った。

予てより、余はスカイツリー仕立ての日時計を使って、CGソフトShade13の精度を試してみたかった。

念願達成。オモチャソフト的には申し分ない結果を得た。

精度については、余レベルの素人があまり厳格になっても、ちっとも洒落ないし、面白くもない。

その辺の精度が気になる方はご自分でなさればよいと、このShade13を使って勝負に出たわけである。

アイディアが一番大事。本なんかに書いてないことを見つけるのが一番大事。

勝負とはおおげさだが、世の中、何もせぬ輩に限って重箱の隅をつついたような文句ばかり言うもんでさ。 さて!

写真資料を参考に、撮影の場つまり「写場」の構造をイメージする。

 それは普通の四畳半だった。

次ぎに、その写場の構造上から、△の光り漏れが起こる、それも簡単に おこる理由をイメージする。

 △の光りはセットの上からの漏れであった。

本論の始めに、特殊例から入ったのも、同じように起こる現象が、一々特別な条件によっているとする説に満足すれば、其れは既に解決の糸口を失っているということに気付いて頂きたかったからである。

 同じ条件という一言はあるが、龍馬写真の日時がかわるだけで、写真2がとれた。同じ条件とは、両方共に頭上の遮光の布が外れているか、ずれていた。

ざんねんながらまたまた、紙面が尽きました。 それでは天国の井上俊三に代わりて  今日は、ここまで。

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