おもろ36

天国の井上俊三に代わりて 三角形の光 (6)


四畳半の板の間は、板が13枚張られている。板一枚の幅は仮に22cmとする。

向かって右サイドには、梁の高さ九尺に納まる長さの竹棒をおよそ五寸間隔で並べ、それに和紙もしくは白布を貼り付けた、パーティションで太陽光を柔らかくするためにディフィーズしている。
おそらくこのパーティションはロールにし、写場が非営業の際はどこかにしまっておけるようになっている。

当然トップは必要に応じて白布を張ってディフィーズした。

上野彦馬のちっぽけな梁の高さ九尺広さ四畳半の写場が、屋敷の何処に建っていたかは不明だが、例の△太陽光り漏れ3例により、余は北を背に南を向いて建っていることが合理的としている。

そして、光りは屋根と右(東)側のパーティションとトップの白布の隙間から射し込んでいる。

ここからがややこしい。

余は、この写場の屋根の張り出し具合で未だに悩んでいる。

庇の縁が前に出れば、庇の影は下に行く。

つまり、屋根の庇が大きく日時の特定に関係するのだ。

とりあえず、余は雨の多い長崎のことゆえと勝手に理由を付けて屋根を六尺にした。したがって屋根部分は全体の半分近くを覆うカタチとなった。

屋根が三尺ぴったんこの場合と比べると、撮影日の特定に関しての誤差はかなり大きな事になり、少しばかりぐれたくなった。

それはそれとして、写真と同じ、△の太陽光り漏れを求め、余が想定した写場スケールに合わせてShade13でシミュレーション計算を始めた。

ケース検証を重ね、10月17日10時08分で、写真に極めて近似した条件を得た。

このセッティングで同様の結果を得ることができる太陽条件の日は、春にもう一日ある。

写真の時の太陽高度(仰角)と太陽方位を計算した。
久しぶりの三角関数。アークタンジェントはエクセルで計算した。

結果、太陽高度は38.1度 方位は139.5度
気象庁の今年の同日dataと照合した。

またまた、紙面が尽きてしまった。
それでは天国の井上俊三に代わりて  今日は、ここまで。

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