おもろ37

天国の井上俊三に代わりて 三角形の光 (7)

龍馬写真が「撮れた日時」は彦馬のスタジオの構造とその設置位置が相関し、ほいほいと結論は出せないというのが結論だ。

しかし、余は根拠を明らかにしつつ、今後も余なりの「推論」をどんどんと発信して行くつもりだ。

よって、余の「推論」は、おおくのセンセイ達のような無責任で根拠も無く全く非合理な、つまり単なる思いつきの「推論」とは違うので、もし、反論がある場合でも、キチンと根拠を示して頂くなど合理的な方法でそれをお願いしたい。

さて、はなしを始めよう。

余は意外にあっさりと、
△の太陽の光り漏れが、龍馬写真と同じとなる、Shade13シミュレーション画像を得た。

すなわち件の光り漏れが出現する、構造上の因果関係が余の手に入った事となる。

さっそく、図面を起こし、太陽高度(仰角)と太陽方位を計算した。太陽高度は38.1度 方位は139.5度。
気象庁の同日dataと照合した。

ショック。気象庁の太陽高度と方位dataは違う数字だった。

そのDataをどのように決定していったのかを説明をしておこう。

はじめに写場の広さ大きさを確定することが肝心だ。
これが全ての物差しになる。

若い女性五人と子供二人の集合写真から、床板の枚数をカウントし、写場の平面面積を求めることにした。しかし、白い衝立が邪魔をして肝心の隅が見えない。当初余は幅24㎝で12枚と「推測」。Shade13シミュレーションの結果は、板の並びとレンズのディストーションがきれいに揃わない。ところが、幅22㎝強の板が13枚で、こんどは見事に原版写真と同じようにディストーションがそろった。これはおよそ京間畳一枚半の長さとなる。

そんな要領で、彦馬写場のいろんな写真に写っている、壁・床・柱・床下・塀・大道具・小道具などを、一つ一つ比較検討し、それらの実際上のサイズを予測することから始めた。

世の中や、時代の常識や、慣習や、一般規格にそってあらいだすわけだが、結局は「余の常識とする線」でまとめるのだから、多少とは言わず大いに誤りがあるのは覚悟だ。

見える範囲の写場の構造は比較的容易に推測できるものかと思うと、実はそうでもない。まだまだ写真をよく見なければならない。

レンズは35mmフィルムラメラ換算の「なんmm」?
カメラから被写体の龍馬までの距離は?
カメラの高さは?
被写体の向きは? = 写場の向きは?
何時の何時何分何秒に撮ったんだ?

あるあるいろいろ・・・
構造や光り廻りに関係するどれも重要な問題だ。

まずはそれら並べてみて、Shade13に判断を託そうというのが、余の検証方法なのだ。余はこのシミュレーションをアドバイサーとして、諸君に新しい視点を提供しようとしているのだ。

気象庁の太陽高度と方位dataとの違は、Shade13の太陽運行スクリプトの「バグ」であり、余が検証した結果、春分の日以後がおかしかった。このことはアプリケーションの販売元に報告したが、スクリプト開発者に報告するとのことだった。

余は画像から図面上の計算でこの日のこの時間の太陽の高度と方位を計算し、今度はこの時間の太陽の高度と方位が当てはまる日時を気象庁のdataから探した。結果は約二日ほど春は前、秋は後ろにずれてはいたが、日時は特定できた。

その結果報告が、以下の映像である。

ひとまず、天国の井上俊三に代わりては俊三のメンツも立ったこととして終了。

次なる機会があらば、「写真が撮れた日」はこの期間の何時なのかを更に更に論理的に求めて行こうと思う。

 → 三角形の光(6)へ