おもろ52

移動 Time Lag

このところ、パノラマ再現で、長崎大学付属図書館のハイクオリティー・イメージ・コレクションの1694と3239と3238を見飽きるほど見てきた。たいへん役にたち感謝に堪えません。

この三枚は例の長崎港パノラマ写真の1・2・3なのだが残念なことに、4は長崎大学付属図書館のハイクオリティー・イメージ・コレクションには無い。
3239と3238は出どこが同じでセットになっていると思われる着色プリントだが、1694はそれとは出どこが違う着色プリントだ。
だから三枚を並べると大小の差が出る。つまり、本来は四枚セットなのだが、一枚、二枚とバラ売りされたものなのだ。

よって、これらはトリミングをされていて、オリジナルの正確な構図が失われている可能性があるのだ。


先日のパノラマ写真のCGのテンプレートに使ったのは、東京都の写真美術館の四枚揃ったセットだ。
CG作画のレンズ設定のために、四枚の写真画が同じ条件のもとにプリントされていることが精度的にも必要だったからである。

さて、今回のお題は「移動 Time Lag」である。

ある時間の間に何かが移動をしていたのである。
実を言うと、パノラマ写真CG作画で、「外国船」とお召し艦「龍驤」の位置関係がどうしてもずれてしまって、キャメラのレンズmmやポジションなどの調整では解決できない事態が続いていた。

そこで余はハイクオリティー・イメージ・コレクションの3239と3238の「外国船」とお召し艦「龍驤」を、超クローズアップさせて見た。

結果、なんじゃこりゃ!を確認して、位置ズレの理由を解決できた。

写真師・内田九一(あるいは地元長崎のポン友・上野彦馬が協力している可能性もあるが)が、写真3239を撮り終え、次の写真3238の撮影準備をし、写真3238の撮影を終了した時点で、なんと「外国船」は、解説図C1地点からC2地点までの数メートルを前進移動していたのだ。

もちろん「龍驤」は背後の天主堂と重なるポジションをしっかりとキープしている。
すなわち「龍驤」は写真3239写真3238ともABガイドラインで確認できるように、ちゃんと停船している。

なーんだ。二枚の写真撮影の間に「外国船」が動いていることをそれまで見逃していたということじゃん。余のCG作画の設定は正しかった。それで「外国船」を3239用3238用と二つにし、それをダブらせてCG画像の処理をした。

「龍驤」などの艦載の旗が風でバタバタしているのに比べ、「外国船」はさほど「ボケ」や「ブレ」を見せていない。外輪の様子は解像度の関係から判別不可能だ。

ともあれ、「外国船」のこの時のスピードが、超のろのろなのか、湿版の感光スピードが速くなって、露光時間がかなり短かったのか、このへんのことはその道のプロの方にお任せとしよう。

パノラマ写真の「移動 Time Lag」は、余の言う「太陽日時計の影」のほかにもあったという当たり前のオハナシでした。