二本マストのこの外輪船は、おそらくアメリカの郵船「ゴールデンシティー号」と思われる。
実際に「ゴールデンシティー号」が長崎経由のサンフランシスコ上海定期航路に就航していたかとか、船のスペックなどの詳細データを余は持ち合わせないので、ここら辺の話は、余の推測であることをお断りして話を進めよう。
ちなみに、各艦の寸法は基本dataに基づいてはいる。
ほかの艦船については相当に適当・アバウトな配置であるので参考程度に笑って見てちょうだい。
水深線は明治初年度の海図より写し取った。こうして見ると、当然ながら、大型艦は水深7・8mの湾の中心地域に停泊していることがわかる。
パノラマ写真で見ると広々した長崎湾も実は大型船にとっては、実は少々窮屈な港だったようだ。
そこに今回の天皇様のご巡幸だ。
はじめに龍驤・春日の奥後方に係留していたと思われる郵船ゴールデンシティー号(?)は、畏れ多くも天皇様の艦隊の真ん真ん中を突っ切って外洋に向かうわけにはさすがに行かない。
丁度パノラマ写真撮影のそのとき、郵船ゴールデンシティー号(?)は龍驤を避けて大きく迂回をし、図示したコースをたどろうとしていたのではと余は思うのだ。