囂kamabisuan庵

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2月6日

今日も子規の句

あつまる という文字ことばが入る 7句

一ひらの花にあつまる目高哉 明治21
松の木の影にあつまる子鯉かな 明治22
夕立や雀あつまる樫の枝 明治26
散ると見てあつまる風の千鳥哉 明治26
一本に子供あつまる榎の實かな 明治28
二村の男女あつまる鯨哉 明治30
蓬莱や名士あつまる上根岸 明治32

集まるは、メダカ、コイ、スズメ、チドリ、子供、男女、名士。

目的は、お花見、避難、雨宿り、風のように飛び遊ぶ、木の実拾い、鯨見物、仙人気分の遊び会。

そしてそして、そして、

集まるは、第74回札幌雪まつり。

先日行ってきました。

欧米の男女あつまる大雪像 半可ξ

以前からの中国韓国東南アジアより、今回は、欧米が圧倒的に多い感じでござった。欧米諸国に比較して、ダントツに物価の安いJapanは、今大人気のようです。

なんと、

ニセコでは、味噌ラーメン一杯3000円は、普通のようです。

さらに、ニセコのお客の95%はアチラさんで、スキーロッジホテルの宿泊料も、星がいっぱいついた東京の大ホテル並みで、しかもどこも満室 だそうです。

景気のいい話として、喜んでいいじゃんとお思いでしょうが、地元還元は、時給二千円を超える季節アルバイト従業員さんたちぐらいで、ほとんどは、中国やオーストラリアなどの外資企業の投資回収資金となっているようです。

ただ、それほどお金持ちに見えないインバウンド旅行客の、小樽札幌への波及効果は、冷え込みつつある北海道の経済に、多少のブレーキになっているのではという消極的な評価が、地元メディアのへっぽこコメンテーターの口からよくこぼれます。

われわれ日本の人が、世界一流のスキー場で、バンバン滑れないのは、貧富の差が世界レベルで付いてしまったからだよな。なんて誰も言いません。

それも、1990年代からの脱日本スタイル経営から欧米競争型経営志向になり、同時に査定ありき一辺倒のコスパ大作戦で、人流を枯らし、企業内に上流下流の階級格差風土を作り、無責任な責任回避文化の強い会社「社会」を作ってしまった結果なんでございましょう。

で、老人にあっては、1990年代から止まってしまった今の有り様を見るに、何もできずただただ偏に哀しい昨今でありまする。

不死身とは死ぬる怖れぞ冬ぬくし 半可ξ

2月14日

今日も子規の句

今日も子規の句

あたゝかに という文字ことばが入る 13句

あたゝかに白壁ならぶ入江哉 明治26

あたゝかに立上る船の煙かな 明治27

下總や冬あたゝかに麥畠 明治27

納豆汁腹あたゝかに風寒し 明治27

あたゝかに雲をいろどる夕日哉 明治28

大船や波あたゝかに鴎うく 明治28

人ちらほら風あたゝかに松葉関 明治28

赤飯の湯気あたゝかに野の小店 明治29

草花や露あたゝかに温泉の流れ 明治29

草むらや露あたゝかに温泉の流れ 明治29

鶴の首のどかに亀の首あたゝかに 明治30

狼の糞あたゝかに寺の霜 明治31

湯婆燈爐室あたゝかに読書哉 明治32年

2月というのに、気温12度。

道はザクザク。汗はダクダク。目鼻ズクズク。

とにかくあたゝかな一日でした。

囂kamabisuan庵