囂kamabisuan庵

2016  2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 now
1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12

3月11日

今日も子規の句

地震 という文字ことばが入る 14句

年の夜や地震ゆり出すあすの春 明治25年
地震して恋猫屋根をころげけり 明治26年
地震て大地のさける暑かな 明治27年
地震して春の夕の風になる 明治29年
地震して障子あくれば春の雨 明治29
地震やんで門を出づれば霞哉 明治29
やぶ入の興さましたる地震かな 明治29
只一人花見の留守の地震かな 明治29
炉塞いで書読む夜の地震かな 明治29
下萌を催す頃の地震哉 明治29
地震さへまじりて二百十日哉 明治29
地震して温泉涸れし町の夜寒哉 明治30
地震て冬帽動く柱かな 明治30
地震して昼寝さめたり蒸暑き 明治31年

3.11

いまだに3万人をこえる人々が『避難生活』を続けておられると言う。

地震ばかりではなく、それに起因する災害の大きさに改めて目を向けるべきだと思う。

南海トラフ地震ばかり大袈裟に喧伝して、対策予算をぶん取っていく政治家が蔓延っているらしいが、日本全国どちらでも地震の起きる確率はほぼ同じと言う説が注目を浴びている。

地震対策が全国的視野で行われるべきと言うのがその趣旨だ。

yahooの「リアルタイム震度」を見てみる。

日本列島は、1秒1分休むことなく、震えています。

全てが地震を原因とするのではないにしても、全国津々浦々大都市も大田舎も平野も山もいたるところでブルブルしていることがわかる。

地球に言わせれば、

「これ日常。だって、オレ生きてんだもん。」

10分ばかりを20倍速で見てみると、その活発性と場所がよくわかる。

日本全国どこもかしこもブルブル。

どちら様も、ただ恐れずに、しっかり準備が肝要です。

プレイして <-> で拡大

3月12日

今日は平家物語

 祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。

(long long 中略)

 平家滅び果てて西国も静まりぬ。
 国は国司にしたがひ、庄は領家のままなり。

 上下安堵しておぼえしほどに、同じき七月九日の日の午の刻ばかり、大地おびたたしく動いてやや久し。

 赤県の内、白河のほとり、六勝寺みな破れ崩る。
 九重の塔も上六重汰り落とす。
 得長寿院も三十三間の御堂を十七間まで揺り倒す。
 皇居を始めて人々の家々、すべて在在所所の神社仏閣、あやしの民屋さながら破れ崩る。

 崩るる音は雷のごとく、上がる塵は煙のごとし。
 天暗うして日の光も見えず。
 老少ともに魂を消し、朝衆ことごとく心を尽くす。
 また遠国近国もかくのごとし。

元暦二年七月九日(西暦1185年8月6日)、最近では琵琶湖西岸付近が震源とされる、M7.4の大地震発生の記述だ。

 さらに、

 大地裂けて水湧き出で、盤石破れて谷へ転ぶ。
 山崩れて川を埋み、海ただよひて浜を浸す。
 汀漕ぐ舟は波に揺られ、陸行く駒は足のたてどを失へり。
 洪水みなぎり来たらば岳に上つてもなどか助からざらん、猛火燃え来たらば川を隔ててもしばしも去んぬべし。

 ただ悲しかりけるは大地震なり。

さらに、さらに、

『方丈記』では

 山くづれて川を埋み、海かたぶきて陸をひたせり。
 土さけて水わきあがり、いはほわれて谷にまろび入り、なぎさこぐふねは浪にたゞよひ、道ゆく駒は足のたちどをまどはせり。
 いはむや都のほとりには、在々所々堂舍廟塔、一つとして全からず。

どちらが先か後かは知らないが、ほとんど似た表現。

この時代から表現の引用がちゃっかり使われていたみたいな感じが、いとおかし。

ちなみにその筋ではこの地震「文治地震」と言うのだそうだ。

囂kamabisuan庵