囂kamabisuan庵

2016  2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 now
1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12

7月3日

初花に命七十五年ほど 芭蕉
(はつはなに いのちななじゅう ごねんほど)

延宝六年。

俳句の世界では花は桜と決まっているが、現代人は、野暮は言わないで、世の数多の花々も「花よ花だ」といきましょうや。

初物は縁起が良く、ありがたいことに、寿命を七十五日延ばしてくれるそうです。

芭蕉さんの桜は満開で、あっちもこっちも初物初物で365倍の命を戴いたようですが、半可ξのハマナスはちょぼちょぼでした。


拡大する

初ハマナスに命七百五十日 半可ξ
(はつハマナスに いのちななひゃく ごじゅうごにち)

しかしその何十倍もの蕾たちが世代交代の順番を待っておりました。


拡大する

7月29日

昼顔に米搗き涼むあはれなり 芭蕉
(ひるがおに こめつきすずむ あわれなり)

天和年間の作だと。

夏の日の午後、ヒルガオも暑くてぐったり。

大店米屋の路地裏の日陰に、米搗の職人たちもぐったり。

あちちの日の昼休み。

今年も余の棲む地は本州を凌ぐあちちです。

で、あんまり暑くて、ヒグマが水浴びをしたくなったのか、 市街地際の川に出没したとのニュースです。

出没地点は、市街地の中心から直線で6km。

この場所の奥に良い蕎麦屋さんがあるので、余もバイクでちょくちょく通るところであります。

さてさて、札幌は今日も150人超えだそうです。

元気な老人の行動は、何をしても不要不急なもんで、家の中でむしゃくしゃししています。

何せ、6km先のヒグマも、2m先のcovid-19も、同じように大変危険なもんでね!

街中でヒグマ涼とるあわれなり 半可ξ
(まちなかで ヒグマりょうとる あわれなり)


拡大する

7月30日

恕水子別墅にて即興

籠り居て木の実草の実拾はばや 芭蕉
(こもりいて きのみくさのみ ひろわばや)

元禄二年九月、奥の細道旅中、大垣で、元藩士近藤如行邸に逗留中、大垣藩1300石次席家老戸田権大夫恕水の 別墅=べっしょ 本宅と別のところに設けた屋敷 別荘とか下屋敷 に招かれた時の句。

いいところでござんすねー!よいしょ!の句であります。

芭蕉に対する権大夫のウケも良く、翌日伊勢に向かうにあたりお土産に、風防のため南蛮酒一樽と頭巾等用に紙子二表が届けられたとさ。

南蛮酒一樽!? 

これはワインでしょうか??
ウイスキーでしょうか???

さてさて、

今年も、飯田の桃をいただいた。

去年はイマイチだったが、

今年の出来は素晴らしい。

☆☆☆ です!

籠り居て木の実ことしも届くばや 半可ξ
(こもりいて きのみことしも とどくばや)

いただきものは、なんでも嬉しいもんですね。


拡大する

7月31日

あち東風や面々さばき柳髪 伊賀上野松尾宗房
(あちこちや めんめんさばき やなぎがみ)

寛文七年24歳の芭蕉さんの句。

ダジャレ掛けの言葉遊びの檀林派仕様の句と評判はよろしく無い。

とはいえ、春の突風の描き出す市井の光景は見事に浮かび上がっていますな。

どうのこうのと言う人は居るが、人間芭蕉全体を俯瞰しての芭蕉の文学と言う捉え方で、優しい気持ちで鑑賞しましょうぜ。

さてさて、

余が住む北の町は、夜は寒涼しく昼はど暑い半世紀以上も前の東京のような塩梅。

数十年前は、どの家にもエアコンなぞ無く、海水浴も7月末と8月初めの日曜日で始まり終わる夏だった。

温暖化ってすごく環境を変えて、今や良くも悪くも、人々の生活も様々に変容を重ねていますな。

さてさてさて、

余の遊び部屋にはエアコンが無いので、今日時分の日中はうだる暑さになる日もある。

そこで、モニターとキーボードの間に小型扇風機を作って置いてみたら、実に良い。

アキバの秋月の150円のファンに、ありあわせのもので完成。

超超微風が顔面に心地よく当たって、クールクールこの上なし。

最大のメリットは静かで場所を取らないことだ。

あちちちや老爺撫でる霜頭 半可ξ
(あちちちや ろうじじなでる しもかしら)


拡大する

囂kamabisuan庵