囂kamabisuan庵

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7月4日

百里来たりほどは雲井の下涼み 芭蕉
(ひゃくりきたり ほどは くもいのしたすずみ)

延宝四年 伊賀上野山岸半残亭にて。

江戸から百里。思えば遠くへ来たものだ。

気分は 雲居の彼方まで来ちまったってとこさ。

さてさて、さて

河川堤防ハイウエーをチャリで走っていたら、ポツリポツリ。

振り向くと空は真っ黒。

幸い近くに橋がありその下に潜る。

何十年ぶりに、雲の動きをチラチラ眺めつゝ「よーし!あと5分で行ける!」なんて心の奥でやってしまった。

それから、15分ほどで薄日が射し、20分後に再び走り出すことができた。

雨宿りほどは通りのパン屋さん 半可ξ
(あまやどり ほどはとおりの ぱんやさん)


7月7日

杜国が不幸を伊良古崎に訪ねて、鷹の声を折りふし聞きて

夢よりも現の鷹ぞ頼もしき 芭蕉
(ゆめよりも うつつのたかぞ たのもしき)

貞亨四年、『笈の小文』の途次、伊良子の杜国を訪ねて。と。

ある解説には、本歌が古今集「むばたまの・・」とありますが、これは普通に、若くして罪を食らった杜国を「一富士二鷹三茄子」の「鷹」に喩えたでよろしいんじゃないですか。

しかし、「初夢縁起」の一の富士はわかるけど、二三の鷹と茄子ってなんでだろうと何時も思います。

さてさて、さて

昨今、当地も格段に暑い日々が続きます。

それでも、暇な半可ξは汗かきの練習にチャリ行に出かけます。

気絶しそうになったら、緑いっぱいの公園でクールダウンをいたします。

緑いっぱいの公園は地面から気化熱が多量に奪われ、それはそれは心地よい「涼しさ」を提供してくれます。

東京大阪名古屋などのごちゃごちゃ大都市は、23世紀に向け大胆で極端な都市計画を進め自然によるSDGsエアコンを行うべきでしょう。

さてさて、さてさて、さて

公園の一隅で怪しげな老人数人が望遠レンズを並べ、じっと一点を「覗いて」いました。


帰宅して調べたらその衆たちは、ハイタカを撮影していたんですな。




ちなみに、昼食は冷やしたぬきでございました。

鷹よりも現のたぬきぞ頼もしき 半可ξ
(たかよりも うつつのたぬきぞ たのもしき)


7月14日

さざ波や風の薫の相拍子 芭蕉
(さざなみや かぜのかおりの あいびょうし)

元禄七年五月。

最後の上方西上の折り、「さざなみ」は滋賀は膳所の、能役者游刀宅で詠んだ句。だと。

お相手がお能の役者さんなので、能用語の「相拍子」と洒落てるんですと。

さてさて、さて本日は、空は晴れ、爽やかないい風が吹き通り、贅沢にも少し「寒い」午後3時半のデスク村。

そして、旧暦六月十六日。月齢15つまり満月。

遠く離れた静岡の地で、目下5連勝のファイターズ清宮幸太郎が、満月を串刺しにしてくれそうな予感がする。

こっちにもあっちにもいい風が吹いてくれちゃうといいんですが・・・!?

さて、老人A、明日は、

近所の「小児科医院」で4回目のワクチンプッチン。

四度目のワクチン摂取月涼し 半可ξ
(よんどめの わくちんせっしゅ つきすゞし)

と、まいりたいものでございます。


7月18日

武蔵野を出づる時、野ざらしを心に おもひて旅立ければ、

しにもせぬ旅寝の果よ秋の暮 芭蕉
(しにもせぬ たびねのはてよ あきのくれ)

貞享元年九月末、野晒紀行旅中大垣木因の家で。

覚悟して江戸から旅に出たが、もう今じゃそんな青いこと超越しちゃって、全然余裕よ。ってか?

さてさて、さて、

去る15日に4回目コロナワクチンを摂種したさぁ。

熱も出ずハレもせず今回も楽チンと思っていたら、
今朝寝起きで頭がボワーン、胸ムカムカさぁ。

でも大丈夫じゃろと、軽く朝飯食ったら、
ウオッときてトイレに走り込んださぁ。

昼にはモリモリ夜にはモリモリ、その後は全く心配ねえださぁ。

これは稀にある副作用ってことだってさぁ。

ワクチンでやられ、ファイターズもやられ、
ああ! なんて日だ!

しにもせぬコロナ渦中よ梅雨じめり 半可ξ
(しにもせぬ ころなかちゅうよ つゆじめり)


囂kamabisuan庵