囂kamabisuan庵

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1月11日

元旦

年々や猿に着せたる猿の面 芭蕉
(としどしや さるにきせたる さるのめん)

元禄六年元旦。歳旦句。

此の歳旦、師のいはく『人同じ所に止まりて、同じ所に年々落ち入る事を悔やみて云ひ捨てたる』となり(蕉門俳人 服部土芳 三冊子)

芭蕉の言う「猿」は、そのまま 猿回しの猿なのか? いやいや 人なのか?

余は、あの時代の「人びとの生き様」を 揶揄して、芭蕉さんは詠んだんだと思うぜ。

お上や豪商やそれにへつらう人びと全てをね。

なんか現代同様に、淀んだ空気が上下に漂っている、妙な時代だったんでしょうね。

いつまでこんな時代が続くんでしょうかねという気持ちのうたでしょうね。

さてさて、さて

人日や人に着せたる猿の面 半可ξ
(じんじつや ひとにきせたる さるのめん)

人日は陰暦正月七日のことで、占いで人を占う日だと。

正月の一日から六日までは獣畜を占い、七日にやっと人を占う順番が来たのだが・・という気持ちさね。

ちなみに、八日は穀物の出来を占うらしい。

さてさて、さて

猿の面をかぶったナニの散髪も無事終わり、配線ミスもなく、意気込んでスイッチオン。

しかし! 動き出したら、リモコン無視で全く止まらない。

ブラシモータが発する電気的なノイズが、マイコン内を流れる制御信号を乱し、川崎の成人式並みの暴走を起こした。

さてさてどうしたものか? で、越年。

いろいろ調べてみると、そはコンデンサだ、いやコイルだなんだと対策はいろいろある。

素人ジジイは電気の計算など出来ないから、物理的に試すのみ。

なんと野蛮なことかと呆れるが、仕方ない。

そんな なか、フェライトコアが・・と知り、試してみると効果覿面!!!

で、手持ちのフェライトコアではあまりにも大きすぎるので、フェライトビーズを使ってみることにした。

年末年始はアキバは冷たく、まだブツは届かない。

で、でっかいフェライトコアを背負って、彼はこの度、新春を祝い、唯一得意の「行ってこい藝」を御披露してくれたので ご覧あれ。

1月15日

杜国亭にて仲あしき人の事取りつくろひて(笈日記)

雪と雪今宵師走の名月か 芭蕉
(ゆきとゆき こよいしはすの めいげつか)

貞亨元年。

野ざらし紀行の旅中名古屋。流刑前の杜国邸にて。と。

句会の最中誰かと誰かが熱くなって言い争い!

それを誰かが「まあまあまあ」と丸く納めて、めでたしめでたし。

争いを雪に、仲直りを名月に喩えての一句とか。

争いといえば、

頃は元禄十五年師走半ばの十四日。

西暦1703年1月30日の赤穂浪士の討ち入り。

大石は月あかりを頼りに深夜の奇襲作戦を仕掛けた。

明日は、旧暦師走十四日、あの日の月が昇ります。


毎夜毎夜の雪降りにもう飽きたんで、明日は初詣して、夜は師走の名月でも拝んで、風流?を感じてみたいと想っちょります。が?

雪と雪どんど焼き兼ね初詣 半可ξ
(ゆきとゆき どんどやきかね はつもうで)

1月17日

時雨をばもどきて雪や松の色 芭蕉
(しぐれをば もどきてゆきや まつのいろ)

寛文六年。伊賀上野松尾宗房時代。

おいおい、この雪は時雨のふりして降るのかい?

  だから、あそこの松の木はいっこうに緑のままだわさ。

と、みぞれみたいな秋末から初冬の根性ない雪をおちょくっている句なのかな?

もどく=それらしく振る舞う・真似る・似せる

さてさて、さて

相も変わらず、余の子供レベルの電子工作の話題で恐縮だが、先日アキバから届いた「フェライト・ビーズ」は、モーターのような粗野な奴らのノイズを除去させるには力不足だった。

そこで、計画変更で「フェライト・コア」を使うことに。

ググっていたら、なんと100均の磁気シートで「も・ど・き」フェライト・コアが作れると出た。

早速、試してみるとこれが・・行けそう。

電線の絡め加減や磁気シートの幅巻の量などの塩梅は、アバウト・アバウトで完成。


これがベストかそうでないかはわからないが、なんと、手持ちの既製品のフェライト・コアには勝った。

小型で、受信感度も多少だが安定している。

やった〜!!

こんな社会にとって意味のないちっちゃな喜びを求め、この数日間を生きてきたのかと思うと、実に情けなくも愉快な人生だと、老人は開き直る。

予報では、今宵満月といへども月出ず

小判をばもどきて貯金寒の月 半可ξ
(こばんをば もどきてちょきん かんのつき)

ケチ!!

囂kamabisuan庵