囂kamabisuan庵

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5月16日

嵯峨日記四月二十日から

落柿舎は昔のあるじの作れるまゝにして、處々頽破ス。
中々に作みがゝれたる昔のさまより、今のあはれなるさまこそ心とヾまれ。
彫せし梁、畫ル壁も風に破れ、雨にぬれて、奇石怪松も葎の下にかくれたるニ、竹縁の前に柚の木一もと、花芳しければ、

とあって、この句などが続く。

ほとゝぎす大竹藪をもる月夜 芭蕉
(ほととぎす おおたけやぶを もるつきよ)

ホトトギスとラグビーボール状のお月様が空間を通り越えてやって来る。
ワサワサワサと棘棘しくおっかない、竹林の夜のドラマチックな光景描写が凄い!でござんす。

ところで本日は、旧暦四月十二日。

暦には竹笋生(たけのこしょうず)とある。

今年筍ご飯はとっくの前に作って食べちゃったが、これも、地球温暖化と言うことですかね。

さてさて、ひと月半ぶりに投球に行く。

マイボールキャンペーンでまるでメロン売り場のようだった。

閑古鳥どこ吹く風よ瓜畑 半可ξ
(かんこどり どこふくかぜよ うりばたけ)

しかしねえ・・札幌中のじじ婆さまが集まったかと見間違うほどの盛況にうんざりする。
成績は最後だけ、雨後の竹の子だったから、許す。


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5月18日

一日一日麦あからみて啼く雲雀 芭蕉
(ひとひひとひ むぎあからみて なくひばり)

嵯峨日記 四月二十三日より。

高齢者にたよる一次産業と、インバウンドだよりの三次産業ばかりの北海道も、いい季節になってきました。

雲雀の鳴き声につられ空を見上げれば、そこにイケメンの高圧送電鉄塔。

ゴク普通の鉄塔らしいが、その構造美に思わず雲雀のことを忘れていました。

構造をスケッチしようと試みたが、老いぼれ脳みそは、目から入る情報を、鉛筆を持つ右手に上手く伝えることはできなかった。

ざんねんだ。

そんなことしていたら、背後の森の巣作りカラスに攻撃されそうになった。

見上げればこちらも立派な構造物になってきた。

くわばらくわばらだ。

一日一日竣工間近カラスの巣 半可ξ
(ひとひひとひ しゅんこうまぢか からすのす)


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