囂kamabisuan庵

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9月5日

あさむづや月見の旅の明け離れ 芭蕉
(あさむつや つきみのたびの あけばなれ)

元禄二年八月十五日。

奥の細道旅中、敦賀浅水(あそうず)で詠んだ。

枕草子に「橋はあさむつの橋。長柄(ながら)の橋。・・」その橋のあったところ。

むろん、あさむづは、明け六ツともかけている。

月見をして一晩中歩いていたら朝になって白々してきた。と。

さてさて、

明日は中秋の名月だから、よく働く蟻さんに、彼にとって四五年分ぐらいの唐黍をプレゼントをしたら、四五メートル位離れた巣まで四五半時間かけて運んでいった。

早い。まじめ。
半可ξ ヒマ!

モロ腰や月見の宴のみやげ哉 半可ξ
(もろこしや つきみのえんの みやげかな)

この蟻は、その後、腰痛で四五日寝込んだということです。


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9月18日

蛇食ふと聞けばおそろし雉子の声 芭蕉
(へびくうと きけばおそろし きじのこえ)

元禄三年三月下旬頃、伊賀より膳所へ出る途中、二句できて半残(山岸十左衛門 伊賀上野藤堂長貞の家臣)に見せたもののうちの一句とか。

また、其角の句集花摘には、

 うつくしき顔掻く雉子のけ爪かな
 と申しければ

とあり、芭蕉が其角の句に、この句で答えたようにもある。

秋色は、大阪の菓子屋の娘。其角の弟子で当時有名女流俳人。

さてさて、

余は蛇は食わねど、肉はよく食う。

今月はいきなりステーキ君から”粋な”プレゼントあり。

300g usリブロース。

いつもは経済的理由で、

ワイルドステーキだが、プレゼントは一つランク上。

でもね、

アメリカのお肉もいいけど、やっぱり日本のお肉の方が好き。

しかし、

FTA一日本酪農そぞろ寒 半可ξ
(エフティーエー にほんらくのう そぞろざむ)

余の場合、日本の美味しいお肉が、ますます遠くに行ってしまいそうだ。


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9月19日

途中吟

山城へ井出の駕籠借る時雨哉 芭蕉 (やましろへ いでのかごかる しぐれかな)

元禄二年十二月。蛙の名所、京都綴喜郡井手町で。

先日上野のモノレールが終わるっうことで、空いている不忍池駅から1分半ばかりの空中散歩を何十年ぶりに体験した。

なんか、もったいない感じがした。

もぅのれーぬ
モノレール

途中吟

パンダ舎へ空の駕籠借る虎が雨 半可ξ
(ぱんだしゃへ そらのかごかる とらがあめ)

虎が雨は旧暦五月に降る長雨。曽我十郎の死を嘆く愛人虎御前の悲しみの涙だという。


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9月29日

ふたたび熱田に草履を解きて、林氏桐葉子の家をあるじとせしに、また東に思い立ちて、

牡丹蘂分けて這ひ出づる蜂の余波哉 芭蕉桃青
(ぼたんしべ わけてはいいづる はちの なごりかな)

野晒紀行の旅で、世話になった熱田の門人林七左衛門=桐葉子に対する感謝の句。

一昨日、

お気に入りのお蕎麦屋さんの暖簾開けに早く着きすぎちゃって、時間つぶしに近所の公園に行ったら、大きな木の幹にこの張り紙。

何気なく読みながら近づいたら、蜂がいて・・ドキリ。


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よくよく見たら、なーんだ。
ジジイ騒がせな。

摩周産新蕎麦の碾きたて打ち立て茹でたて

こんな極楽はありません。

新蕎麦や暖簾分け入る楽天地 半可ξ
(しんそばや のれんわけいる らくてんち)

で、冒頭の句に余韻が続く。

北広島市の大曲にある「なかむら」という店だが、札幌エリアではナンバーワングループに入るお店です。


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9月30日

杜国が不幸を伊良古崎に訪ねて、鷹の声を折りふし聞きて

夢よりも現の鷹ぞ頼もしき 芭蕉
(ゆめよりも うつつのたかぞ たのもしき)

貞亨四年、44歳。

『笈の小文』の途中の訪問。

杜国は流罪されてすでに一年半ほどになる。

さてさて、当地は今が稲刈り真っ最中。順番を待つ田圃には案山子やタイマー仕掛けの雀脅しが時折パン!

現よりブリキの鷹ぞ頼もしき 半可ξ
(うつつより ブリきのたかぞ たのもしき)

あまりにもカッコ良くできたモノだからか、広い田圃の真ん中ではなく、人通りの多い道路際にセットしてあった。

気持ちはわかるが・・・


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