囂kamabisuan庵

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11月6日

今日は子規の句

秋の蚊のよろよろと来て人を刺す 子規
(あきのかの よろよろときて ひとをさす)

明治34年の作。

さてさて、さて、

本日は、いわば晩秋の大晦日。

明日は立冬。

一昨日余は五度目のワクチン接種。

生きてんのかね?

拍子抜けするほど、全く副反応なし。

いいことなのかどうなのか?

北国では猛烈に第何波かの流行爆発中。

市民は、死なぬから耐えよと、お上のお達し。

というか完全に「コロナ無視」。

で、五回め。

冬隣り爺よろよろと五度目行く 半可ξ

11月10日

今日も子規の句

名月や人の命の五十年 明治25年

經を講ず肌寒きこと五十年 明治29年

水鳥や榮華の夢の五十年 明治30年

五十年鳩吹く老の子も持たず 明治31年

今日は、五十年と読みこんだ句だ。

彼自身は34歳で亡くなるのだが、どれも、五十という年月すら、はかないものと見ているようにも思える。

余が無知をさらけ出しているだけかも知れないが、子規は俳人として有名だが、人口に膾炙した句は芭蕉のそれよりもかなり少ないと余は思う。

どんどん読んでみていただきたい。

いわゆる名句みたいな句より、生き生きとした生のリズム、日常の好奇心、人間観察、自然観察と、おもしろい句がいっぱいだ。

松山市の子規記念博物館ホームページで見るのが一番。

https://shiki-museum.com/masaokashiki/haiku

さてさて、さて、

五十年。

先日、余が粋がって50年前に買った LUXMAN 504 が死んだ。

ちゃんと動く良品なら、今でも10万台で売り買いされる品物だ。

近頃はステレオオーディオシステムなんかで音楽を楽しむ文化はすっかり廃れてしまったというのにだ。

昨日まで、数十万で売れるものもジャンク品となれば100分の1以下の千円でも買ってくれるかどうかだ。

Webで見るとコンデンサーを取っ替えたら復活とかもあり、やってみようか・・・

それにしても、無いのは寂しいと、代替アンプをと、電子工作。

送料込み 2,260円!

ハンダ付け3時間で完成。

自分の部屋で静かに聞くのには、十分以上のクオリティとコスパにびっくり。

では、安心してこの冬は、LUXMAN 504の腑分けからまず始めよう。

冬立つやアンプの命五十年 半可ξ

11月12日

今日も子規の句

一箱の林檎ゆゝしや冬籠 明治31年
筆多き硯の箱や冬籠 明治33年
冬の日のよくあたる椽やおもちや箱 明治34年

リンゴ箱も硯箱もおもちゃ箱(縁側)も、子規の様々な思いが詰まった宝箱なんですね。

たかが箱ですが、箱はその中身の持つ価値や気持ちや夢を伝える、大事なメッセンジャーだったりメディアなんですね。

浦島太郎も箱の中身を見て現実を知るまで、玉手箱のもたらす夢に酔っていました。

平凡な政治家はその箱を利用して様々な悪事を働き、芸術家は平凡でも、その箱を見せて多くの感動を人々に伝えるのです。

さてさて、さて

先日組み上げた超コスパアンプ。

音質はまあ置いといて、雑音も出ずクリアーに3日の働きに耐えました。

で、単なる無粋な部品の塊に、アガチスの木箱を作ってプレゼント。

馬子にも衣装。少しは様になって、さっそく余を誑かしにかかっています。

一箱のアンプゆゆしや冬籠 半可ξ
アイチューンの昭和の曲や冬籠 半可ξ
冬の日の影の抱えるおもちゃ箱 半可ξ

11月15日

今日も子規の句

貧淋し喰へぬ木の實の落る音 明治31年

ナナカマドの実は何故か真っ赤に実っても、どちらのお鳥様も興味を示さないまま真冬を迎える。

これも食えぬ木の実なのだろうかというとそうでもなく、冬も終わりそろそろ春だという頃になると、北へ帰るヒヨドリたちが群がって全てを啄ばんでいく。

毎年見ているが、不思議なことに、この実を啄むのは何故かヒヨドリに決まっている。

したがって、写真のナナカマドの実は、貧淋しく地に落ちることもなく、ヒヨドリの胃の中にちゃんと収まるのである。

不思議だ!

ナナカマド賞味期限は半年後 半可ξ

11月18日

今日も子規の句

毎年ということばの入る句は、2句。

毎年よ彼岸の入に寒いのは 明治26年
今年はと毎年いうてさて熱し 明治28年

来年ということばが入る句は、10句。

來年のいつの間にやら來りけり 明治25年
去年よりも今年ぞをしき來年は 明治26年
今年より來年近し花の春 明治26年
來年の餅の匂ひや大三十日 明治26年
來年の事言へば鰒が笑ひけり 明治27年
萩芒今年は見たり來年は 明治30年
萩芒來年逢んさりながら 明治30年
つくつくと來年思ふ燈下哉 明治30年
來年はよき句つくらんとぞ思ふ 明治30年
來年の暦もはりぬ古暦 明治30年

さてさて、さて、

毎年よサライ付録のカレンダー 半可ξ
来年はと夢の初旅応挙寺 半可ξ

11月20日

今日も子規の句

子規さんは東京大学予備門時代にベースボールを知り、野球に熱中。

で、ボール という文字ことばが入る 3句

草茂みベースボールの道白し 明治29年
夏草やベースボールの人遠し 明治31年
蒲公英ヤボールコロゲテ通リケリ 明治35年
蒲公英はたんぽぽ

ちなみに野球での句はない。

さてさて、

日ハムの新球場のファールゾーンがどうのこうのと騒がしいので規則を読んでみて、あまりにもいい加減というか、すごいので驚いた。

例えばホームベースの規格だが、

規則通りに正確に製作すると、キャッチャー側の尖ったところは90度にはならない。

また、一塁線三塁線のラインの作る角度も、規則通り正確にすると、90度ではない。

ホームベースは90度にプラスで、

フィールドは90度よりマイナスだ。

本当にそんな律儀な球場があるのかどうか疑わしい。

みんな、「常識的に」90度でやってんじゃないのかな。

でもね、規則は・・規則だしね

規則2.02 本塁
本塁は五角形の白色のゴム板で表示する。
この五角形を作るには、まず1辺が17㌅(43.2㌢)の正方形を描き、17㌅の1辺を決めてこれに隣り合った両側の辺を8½㌅(21.6㌢)とする。
それぞれの点から各12㌅(30.5㌢)の2辺を作る。
12㌅の2辺が交わった個所を本塁一塁線、本塁三塁線の交点に置き、17㌅の辺が投手板に面し、二つの12㌅の辺が一塁線および三塁線に一致し、その表面が地面と水平になるように固定する。

しかし、なんでこんな面倒くさい、規則を決めたんですかね。

少年野球場の朝霜柱 半可ξ

11月30日

今日も子規の句

余のHPの子規の句検索ページで

https://kamabisuan.skr.jp
/masaoka_shiki/shiki_kensaku.php

初雪をインプットreturnしてみてください。

55句ヒットします。

南国育ちの人らしい初雪「観」がいっぱいですわ。

その中から、一句。

初雪や靴門内へ入るべからず 明治26年

この気持ちよくわかります。

江戸時代女流貞門派俳人の

初雪や二の字二の字の下駄のあと 田捨女

のように、

実は、この足跡や車の轍があって初雪の情景が、グーンとトンガッテ生まれるのですな。

さてさて、さて、

わが地もやっと、初雪らしい雪が今朝方さっと降りました。

例年よりかなり遅めですわ。

初雪や車入るべし人歩め 半可ξ

囂kamabisuan庵